『敗者のゲーム』を51歳で読んだ感想|8年間投資して分かった「市場に勝とうとしない」意味

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投資戦略・売買記録
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こんにちは、nobu2394.comです。

51歳になった2026年、チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』を読みました。

読み終わって最初に感じたのは、

「これ、2018年の自分に読ませたかったな」

ということでした。

私は2018年頃、日本株の短期売買、信用取引、うねり取り、米国個別株、高配当株など、本当にいろいろな投資方法を試していました。

どうすれば相場で勝てるのか。

どこで買えばいいのか。

いつ売ればいいのか。

次に上がる株は何か。

当時の私は、かなり真剣に「市場より上手に動く方法」を探していたと思います。

それから約8年。

現在の私は、VTIなどのインデックス投資を資産形成の中心にしています。

だから『敗者のゲーム』は、私にとって投資を始めるための本ではありませんでした。

8年間、自分のお金でいろいろ試したあとに読む「答え合わせの本」でした。

先に、51歳の今の感想を書いておきます。

私がこの本から最も強く受け取ったのは、

「市場に勝つ方法を探し続けるより、自分から負けにいく行動を減らした方がいい」

という考え方です。

ただし、私は本書の考え方を100%そのまま受け入れているわけでもありません。

特に51歳になった今は、株式だけではなく、現金、金、銀、スイスフランなどへの分散も必要だと考えています。

※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。この記事は私自身の投資経験と読書感想をまとめたもので、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。

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そもそも、なぜ「敗者のゲーム」なのか

この本のタイトルだけを見ると、少し不思議です。

投資で成功するための本なのに、なぜ「敗者のゲーム」なのか。

私なりに理解した考え方はこうです。

プロ同士が戦う高度な市場では、誰か一人だけが圧倒的な情報を持っているわけではありません。

多くのプロが同じ企業を調べ、同じニュースを読み、同じように株価を分析しています。

その中で、長期間ずっと市場平均を上回り続けるのは簡単ではない。

そこで重要になるのが、

「どうやってスーパープレーを続けるか」ではなく、「どうやって大きなミスを減らすか」

という考え方です。

これはテニスに例えると分かりやすいです。

プロのテニスは、強烈なショットでポイントを奪う「勝者のゲーム」です。

一方、普通の人のテニスでは、相手のスーパーショットよりも、自分のダブルフォルトやネット、アウトでポイントが決まることが多い。

だから、無理に決めようとするより、まず自分からミスをしない方が勝ちやすい。

投資もそれに似ている。

私には、この考え方が非常に印象に残りました。

2018年の私は、完全に「勝者のゲーム」をやろうとしていた

この考え方を読んで、真っ先に思い出したのが2018年の自分です。

当時は、チャートを見ながら、

「ここで買う」

「ここで売る」

「この形なら上がる」

という判断を何度も繰り返していました。

相場師朗さんの『株は技術だ!』もかなり真剣に読み、うねり取りも実践しました。

当時の私は、それをかなり強くおすすめしていました。

しかし8年間実際にやってみると、今の考えは変わっています。

その答え合わせはこちらにまとめています。

【8年後検証】『株は技術だ!』を実践した結果|今はおすすめしない理由と学んだこと

もちろん、短期売買の経験が無駄だったとは思っていません。

自分のお金で実際にやったから分かったことがあります。

利益が出ると自信が大きくなる。

少し勝つと、次も当てられるような気がする。

損失が出ると、今度は取り返したくなる。

そして売ったあとに上がれば悔しくなり、買ったあとに下がれば不安になる。

相場そのものだけではなく、自分の感情とも戦わなければならない。

これは、本を読んだだけでは分からなかった経験でした。

「市場に勝とうとしない」は、投資を諦めることではない

昔の私なら、

「市場平均でいい」

と言われると、少し物足りなく感じたと思います。

せっかく投資するのだから、平均より儲けたい。

市場平均を超える銘柄を見つけたい。

そう考えるのは自然です。

でも今は、少し見方が違います。

市場全体の成長を長期間受け取り続ける。

余計な売買を減らす。

コストを抑える。

暴落しても簡単には市場から降りない。

これは「何もしない」という意味ではありません。

未来を正確に当てる必要がない仕組みを、自分の資産形成に組み込む。

という、かなり積極的な選択だと思うようになりました。

「何もしない」は意外と難しい

インデックス投資について、

「買って放っておくだけなら簡単」

と思う人もいるかもしれません。

でも、私は8年間投資してきて、むしろ逆だと思っています。

何もしないことは、かなり難しい。

株価が上がれば、

「そろそろ天井ではないか」

と思います。

株価が下がれば、

「もっと下がるのではないか」

と思います。

ニュースを見れば、毎日のように売買したくなる材料があります。

景気後退。

戦争。

金利。

選挙。

為替。

AIバブル。

暴落予想。

理由はいくらでも出てきます。

でも、そのたびに資産配分を大きく変えていたら、投資方針そのものがなくなってしまいます。

『敗者のゲーム』を読んでいて、私は、

長期投資とは「買う技術」以上に「余計なことをしない技術」なのかもしれない

と感じました。

実際にVTIで調べると、タイミング投資の難しさがよく分かった

『敗者のゲーム』を読んでいて、私は一つ気になったことがありました。

それが、

「市場の非常に好調な日を逃すと、長期リターンが大きく低下する」

という考え方です。

最初は、

「でも、ベストの日だけ除外するのは不公平ではないか?」

と思いました。

市場から離れているなら、暴落したワーストの日も同時に避けられるかもしれません。

そこでVTIの日次データを使い、

ベスト35日を逃す場合。

ワースト35日を逃す場合。

両方を逃す場合。

まで実際に計算しました。

すると、非常に面白い結果になりました。

ワーストの日だけ完璧に避けられれば、もちろん運用成績は劇的に良くなります。

でも実際には、大幅下落日と大幅上昇日はかなり近い場所に集中していました。

つまり問題は、

「暴落を避けることが有効か」

ではありません。

暴落する前に市場から出て、大反発する前に戻れるのか。

ということです。

詳しい数字とグラフはこちらの記事にまとめました。

『敗者のゲーム』をVTIで検証|ベスト35日を逃すとどうなる?

2018~2026年と2001~2026年のVTIを使い、「ベスト35日」「ワースト35日」「両方」を逃したケースまで実証しています。

この検証をやったことで、私は本書の「市場に居続ける」という考え方がさらに腹落ちしました。

日々の株価は「天気」、長期の価値は「気候」のようなもの

この本を読みながら、私の中で一つのイメージが浮かびました。

日々の株価は「天気」、企業や市場の長期的な価値は「気候」ではないか。

というイメージです。

今日は大雨かもしれません。

明日は快晴かもしれません。

でも、一日の天気だけで、その地域の気候が変わるわけではありません。

株価も同じです。

一日で5%下がる。

翌日に4%上がる。

短期では激しく動きます。

しかし、その日の株価だけを見て、何十年先の企業価値まで毎日変わったと考える必要はない。

51歳の今の私は、日々の市場価格と、長期的な資産成長をできるだけ分けて考えたいと思っています。

2018年の私は「今日の天気」をかなり真剣に予想していました。

今の私は、それよりも、

「長期的にどの地域の気候の中に自分の資産を置いておくか」

を考えるようになりました。

それでも、なぜアクティブ投資や短期売買はなくならないのか

『敗者のゲーム』を読みながら、もう一つ考えたことがあります。

もしインデックス投資がこれほど合理的なら、なぜ世の中から個別株投資や短期売買がなくならないのか。

私は、自分自身の経験から理由の一つが分かる気がします。

面白いからです。

個別株には、インデックス投資にはない面白さがあります。

企業を調べる。

将来を考える。

自分で銘柄を選ぶ。

予想通り上がればうれしい。

これは、資産形成とは別の楽しさがあります。

だから私は今でも、

「個別株は全部やめて、100%インデックスだけにするべきだ」

とは考えていません。

現在は、個別株や短期売買などの「投資を楽しむ部分」は資産全体の10%程度まで、という考え方です。

詳しくはこちらに書いています。

【51歳・資産2.2億円】個別株は何%まで?インデックスを主力にしても「投資を楽しむ枠」を残す理由

私にとって大事なのは、

「資産形成」と「投資を楽しむこと」を混同しないこと。

です。

8年間で、高配当株への考え方も変わった

2018年頃の私は、高配当株にもかなり魅力を感じていました。

当時は、

「1億円まで資産を増やし、4~5%程度の配当を受け取れば生活できるのではないか」

というイメージを持っていました。

AT&Tやアルトリアなども保有しました。

しかし8年間投資してきて、今は少し考えが変わっています。

配当金はうれしい。

でも、資産形成では配当だけではなく、株価上昇を含むトータルリターンを見る方が大事だと考えるようになりました。

現在の感覚は、大ざっぱに言えば、

資産成長を狙う投資8:高配当投資2

くらいです。

楽天VYMの積立は今でも続けています。

つまり、高配当投資を否定したわけではありません。

一つの投資スタイルを「絶対の正解」にしなくなった。

という方が近いと思います。

今の投資観はこちらの記事で詳しくまとめています。

51歳・資産2.2億円で変わった投資の考え方|高配当より資産成長、そして相続と分散へ

『敗者のゲーム』に全部賛成しているわけではない

ここは、この記事でかなり大事にしたいところです。

私は『敗者のゲーム』を読んで、

「すごい本だから、全部この通りにすればいい」

とは思いませんでした。

特に今の私が少し違う考えを持っているのが、株式以外の資産についてです。

本書を読んでいると、株式を長期保有することの強さが非常に強く伝わってきます。

それ自体にはかなり共感します。

私も、米国株やVTIをこれから全部売ってしまおうとは全く考えていません。

ただ、51歳の今の私にとって、

株式だけを持っていれば十分

という考えにはなっていません。

理由は、私の目的が変わってきたからです。

43歳の頃は、資産を増やすことが最大の目標でした。

でも51歳になった今は、

どう増やすか。

どう守るか。

どう使うか。

そして子どもたちにどう残すか。

まで考えるようになりました。

金・銀・スイスフランを持ちたい私は、本書と少し違う

現在の私は、金、銀、スイスフランなど、株式とは違う値動きを期待できる資産も増やしたいと考えています。

目安としては、将来的にこうした株式以外・通貨分散の資産を合計3,000万~5,000万円程度まで持つことも考えています。

もちろん、金が株式より必ず優れていると思っているわけではありません。

金にも価格変動があります。

配当もありません。

長期間株式に負ける可能性もあります。

それでも私にとっては、

「最も増える資産だけを持つ」ことより、「違う理由で価値を持つ資産を組み合わせる」ことにも意味がある。

と考えています。

ここは、『敗者のゲーム』を読んでいても、私は自分の考えを変えませんでした。

現在の金・銀・スイスフランへの考えはこちらです。

【51歳・資産2.2億円】金・銀・スイスフランを3,000万〜5,000万円持ちたい理由|株式だけにしない「守り」の資産配分

年齢が違えば、『敗者のゲーム』の読み方も変わると思う

もし私が25歳だったら、この本の受け取り方は今とは少し違ったと思います。

25歳。

これから40年近く働く。

投資資産もまだ小さい。

毎月の入金力が重要。

そういう状況なら、低コストの株式インデックスを中心に、長期間積み立てる考え方は非常に合理的だと思います。

一方で私は51歳です。

子どももいます。

資産も以前よりかなり大きくなりました。

これからは、増やすことだけでなく、守ること、使うこと、相続することも考えます。

だから同じ本を読んでも、

「株式をもっと持とう」

だけではなく、

「株式の部分では余計な売買をせず、長期成長を受け取ろう」

と読みました。

この違いは大きいと思います。

私が一番変わったのは「予想しなくなった」ことかもしれない

8年間の変化を一言で表すなら、

以前ほど未来を予想しなくなった。

ということかもしれません。

もちろん今でも企業は調べます。

経済ニュースも見ます。

米国の将来も考えます。

金や為替も考えます。

でも、

「来月株価が下がるから全部売る」

「来週底を打つから全部買う」

という判断を、資産形成の中心には置かなくなりました。

未来が分からないなら、

分からなくても成立する仕組みを作っておく。

この考え方の方が、今の私には合っています。

2018年に月10万円の積立を始めた自分は、結果的に重要なことをしていた

2018年8月、私は楽天VTI・楽天VYMへの月10万円の積立を実際に始めました。

当時は、ここまで長く続けることの意味を十分理解していたわけではありません。

途中には2018年末の下落もありました。

2020年のコロナショックもありました。

その後も何度も大きな下落がありました。

それでも積立を続けました。

今振り返ると、2018年の私は、相場を当てる方法を一生懸命探しながら、同時にもう一方では、

「当てなくてもいい投資」

も始めていたことになります。

当時の記録はこちらです。

【実体験】2018年に月10万円の積立投資を開始|楽天VTI・VYMを選んだ理由と2度の失敗

もし2018年の自分に一冊だけ渡せるなら

2018年の43歳だった自分に戻れるとします。

そして、投資本を一冊だけ渡せるとしたら。

今の私は、『敗者のゲーム』を渡したいと思います。

ただし、こう言います。

短期売買をやってみるのもいい。

個別株を選ぶのもいい。

失敗することから学ぶこともある。

でも同時に、

「市場に勝たなくても、資産を増やす方法がある」

ということは知っておいた方がいい。

おそらく2018年の私は、すぐには納得しなかったと思います。

「いや、自分ならもう少し上手くできる」

と思ったかもしれません。

でも、それも含めて今の自分です。

『敗者のゲーム』はどんな人に向いているか

  • これから長期の資産形成を始める人
  • 売買タイミングを考え続けることに疲れている人
  • インデックス投資がなぜ合理的なのかを考えたい人
  • 暴落するとすぐ売りたくなってしまう人
  • 個別株や短期売買を続けながら、資産形成の軸を作りたい人
  • 投資で「何をするか」より「何をしないか」を考えたい人

特に、投資を始めたばかりの人だけではなく、

ある程度投資を経験した人が読むと、違う意味で刺さる本

だと思います。

私自身がそうでした。

今回読んだ『敗者のゲーム[原著第8版]』

チャールズ・エリス『敗者のゲーム[原著第8版]』

インデックス投資の方法だけを知る本というより、

「なぜ市場に勝ち続けようとすることが難しいのか」

を考える本として、私は非常に面白く読みました。

まとめ|私が『敗者のゲーム』から学んだのは「勝ち方」より「負けない考え方」

51歳になった今、『敗者のゲーム』を読んで一番印象に残ったのは、

「どうすれば市場に勝てるか」

ではありませんでした。

「自分から負けにいく行動を、どう減らすか」

でした。

2018年の私は、市場を予想し、売買タイミングを考え、平均以上のリターンを取ろうとしていました。

その経験が全部間違っていたとは思いません。

むしろ、実際にやったからこそ、この本の意味がよく分かりました。

8年間投資した今の私の答えは、

市場に勝ち続けようとするより、市場から退場しないことの方が大事。

というものです。

そして、もう一つ。

市場に居続けることと、何も考えないことは同じではありません。

自分の年齢。

家族。

収入。

資産規模。

リスク許容度。

これらを考えたうえで、株式、現金、金、銀、通貨などをどう組み合わせるか。

その部分は、自分で考え続ける必要があります。

だから私は、『敗者のゲーム』を「これ一冊の通りに投資すればいい本」とは思っていません。

でも、

投資で一生懸命「勝とう」としている時に、一度立ち止まって読む本。

としては、今の私ならかなりおすすめしたい一冊です。

2018年の自分に渡せなかったので、せめて2026年の自分が読めてよかった。

それが、この本を読み終えた今の率直な感想です。

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※本記事は、私自身の投資経験と読書感想をまとめたものです。特定の金融商品や投資方法の売買を推奨するものではありません。投資には価格変動や元本割れの可能性があります。最終的な投資判断は、ご自身の目的や資産状況、リスク許容度に応じて行ってください。

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