こんにちは、nobu2394.comです。
2026年、51歳の僕が気になっている経済ニュースの一つが、飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げる法案です。
普通なら「消費税が下がるなら、スーパーの買い物が安くなって助かる」と考えるところかもしれません。でも、僕は少し違うことを考えています。
「減税しても、店頭で払う税込価格は結局あまり変わらないのではないか」
あくまで僕個人の予想です。人件費や原材料費、物流費などの値上げ圧力があるなかで、企業は減税によって生まれる余裕を価格維持や利益の確保に使うかもしれない。そう考えています。
ただ、僕はそれを直ちに悪いことだとは思いません。企業が適正な利益を確保し、その利益が賃上げや設備投資につながるなら、社会にとって意味があると思うからです。
さらに言えば、僕には「物価高対策」という言葉そのものへの違和感があります。日本銀行は2%の物価上昇を目標にしているのに、物価が上がること自体を悪者にしてよいのでしょうか。
今回は、政府案の中身、実際に価格が下がる条件、物価と賃金のデータを確かめながら、消費者・会社員・長期投資家という三つの立場から考えてみます。最後に、僕が現金3,000万〜4,000万円を保有し続ける理由にも触れます。
※本記事は2026年10月31日時点の公的資料と研究、および筆者個人の考えを基にしています。消費税率の引下げは同日時点で審議中の法案であり、成立済みの制度ではありません。個々の商品の将来価格や投資成果を予測・保証するものではありません。
- 結論|消費税減税で価格は下がる可能性がある。でも、それだけを成功の基準にしたくない
- 2026年10月現在、何が決まっていて、何がまだ決まっていないのか
- 食料品8%→1%なら、税込108円の商品は101円になる?
- 僕は「スーパーの値段は思ったほど下がらないかもしれない」と予想している
- そもそも、僕は「物価高を悪者にすること」に違和感がある
- 総合物価が2%でも、食品も給料も一律に2%ではない
- 僕は一律減税より、困っている人への再分配を重視したい
- 減税で価格が変わらなかったら、誰が豊かになるのか
- 2年間の減税を、何で「成功」と判断するべきか
- 51歳・資産2.2億円の僕は、インフレでも投資方針を変えない
- 僕が本当に気にしているのは、日本経済の好循環が続くかどうか
- まとめ|「物価が下がったか」だけでなく「国民が豊かになったか」を見たい
結論|消費税減税で価格は下がる可能性がある。でも、それだけを成功の基準にしたくない
最初に、僕の考えを整理します。
- 税込価格が減税分だけ下がるとは限らない。企業の価格設定やコスト、競争状況による。
- 物価上昇そのものを悪と考えない。持続的な賃金上昇を伴う緩やかなインフレは、日本経済に必要だと思う。
- ただし、生活に困る人への支援は必要。一律減税以外にも、所得に応じた支援や富の再分配を考えたい。
- 企業の利益だけが増えるなら十分ではない。賃上げや生活の豊かさにもつながってほしい。
- 僕自身の投資方針は変えない。現金の購買力が少しずつ減ることも理解したうえで、一定の現金余力を保有する。
これは減税に全面的に反対する意見ではありません。今回のように食品価格への影響を実際に確認する試みには、一定の意味があると思っています。ただし、政策の費用と効果をあとから確かめる必要があります。
2026年10月現在、何が決まっていて、何がまだ決まっていないのか
まず事実関係です。政府は、軽減税率の対象となる飲食料品について、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、税率を1%とする内容を盛り込んだ法案を、2026年10月9日に国会へ提出しました。
また、飲食料品にかかる1%相当分の範囲で、所得に応じた支援金制度を組み合わせる構想も含まれています。
ただし、2026年10月31日時点では法案の審議中です。衆議院の公開情報では10月20日に財務金融委員会へ付託され、可決・成立・公布は確認できません。成立を前提とした書き方は避けなければいけません。
対象も、すべての商品やサービスではありません。ここで扱う8%から1%への引下げは、原則として現在の軽減税率が適用される飲食料品についての政府案です。
出典:衆議院「第222回国会・飲食料品消費税減税と支援金に関する法案本文」、衆議院「第222回国会・法案審議経過」。
食料品8%→1%なら、税込108円の商品は101円になる?
仕組みそのものは単純です。税抜価格が100円で変わらないなら、税率の違いによって税込価格は次のようになります。
| ケース | 税抜価格 | 消費税率 | 税込価格 |
|---|---|---|---|
| 現在の軽減税率 | 100円 | 8% | 108円 |
| 減税後、税抜価格が同じ | 100円 | 1% | 101円 |
| 減税後も税込価格が同じ | 約106.93円 | 1% | 108円 |
税抜価格が据え置かれれば、108円の商品は101円になります。税込価格で見た下落率は約6.48%です。8%から1%へ「7ポイント」の減税だからといって、税込価格が単純に7%下がるという計算ではありません。
一方、税込108円のままなら、税抜の販売価格は約106.93円になります。従来の100円と比べて約6.93円高くなる計算です。
この差額は、すべてがそのまま企業の純利益になるとは限りません。仕入れ・物流・人件費などの上昇を吸収することもあるからです。
月10万円分の対象食品を買う家庭なら、最大でどれくらい変わる?
例えば、現在の8%税込価格で月10万円分の対象食品を購入していると仮定します。同じ数量・品質で、税抜価格も変わらず、減税分がすべて店頭価格に反映された場合は次の計算です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現在の買い物額(税込8%) | 月100,000円 |
| 税抜価格不変・税込1%になった場合 | 月約93,519円 |
| 月額の軽減額 | 約6,481円 |
| 12か月分の軽減額 | 約77,778円 |
年間約7.8万円。家計にとって小さくない数字です。ただし、これは対象食品だけの支出を一定にした計算上の比較です。外食など対象外の支出、値上げや買い物の変化は含んでいません。実際にこの金額が節約できるという予測ではありません。
僕は「スーパーの値段は思ったほど下がらないかもしれない」と予想している
ここからは、僕自身の予想です。
企業は今、原材料費や物流費、人件費など、さまざまなコスト上昇に直面しているように見えます。そのため、消費税率が下がっても、そのすべてを販売価格の値下げに使うとは限らないのではないか。僕はそう考えています。
この見方には一定の根拠もあります。日本銀行が2026年5月に公表した地域企業の調査では、多くの消費関連企業が人件費や仕入れ先の人件費由来のコスト上昇を販売価格へ転嫁するため、2026年度も値上げを計画していると報告しています。
出典:日本銀行「地域の消費関連企業の価格設定行動の変化と2026年度の価格改定方針」。
だからといって、値下げが起こらないと決めつけるつもりもありません。価格競争の強い商品では、顧客を獲得するために減税分を店頭価格へ反映する企業も出てくるでしょう。
海外では減税分の一部が、実際に消費者へ還元された
例えばドイツでは2020年に一時的な付加価値税(VAT)の引下げが行われました。ifo研究所などの研究者がスーパー約13万商品の日次価格を分析したところ、減税分のおよそ70%が消費者価格へ反映されたと推計されています。競争が激しい市場ほど反映率が高い傾向も確認されました。
「減税しても価格は絶対に下がらない」という主張を裏付ける研究ではありません。むしろ、価格は下がり得るし、その程度は市場によって違うという話です。
もちろん、ドイツの2020年と日本の2027年では税率の変化幅、経済状況、商品構成が異なります。ドイツの約70%という結果を、日本の食品減税にそのまま当てはめることはできません。
そもそも、僕は「物価高を悪者にすること」に違和感がある
ここは少し賛否が分かれるかもしれません。
僕は、日本で物価が少しずつ上がることを、基本的には前向きに受け止めています。長年、値上げしにくい、給料も上がりにくいという状態が続いてきました。そこから抜け出して、企業が利益を出し、人々の給料も上がっていくなら、悪い話ではないと思うからです。
そもそも日本銀行が掲げる「物価安定の目標」は、消費者物価の前年比上昇率2%です。毎年2%程度の物価上昇が持続すること自体は、政策目標と矛盾しません。
出典:日本銀行「2%の物価安定の目標」。
だから僕は、「物価が上がった。大変だ。何とかして下げよう」という議論を聞くと、少し違和感を覚えるのです。大切なのは価格を昔の水準へ戻すことではなく、物価と賃金が持続的に上がる経済をつくることではないでしょうか。
ただし、ここは誤解されたくありません。僕が受け入れたいのは、経済成長や賃金上昇を伴う緩やかなインフレです。4〜5%など高いインフレが長く続いても構わない、という意味ではありません。
総合物価が2%でも、食品も給料も一律に2%ではない
一方で、「いま物価上昇率が2%程度なら、誰も困らない」というわけでもありません。
総務省統計局の2026年9月の全国消費者物価指数を見ると、上昇率は次のとおりでした。
| 指標 | 前年同月比 |
|---|---|
| 総合 | +2.1% |
| 生鮮食品を除く総合 | +2.1% |
| 生鮮食品・エネルギーを除く総合 | +2.4% |
| 食料 | +2.8% |
さらに商品ごとに見ると、上昇率はかなり違います。例えば同じ2026年9月の統計では、サンマが前年同月比+27.8%でした。魚をよく食べる家庭と、そうでない家庭では実感が違うはずです。
出典:総務省統計局「消費者物価指数 全国 2026年9月分」。食料には軽減税率対象外の外食なども含まれ、税率変更の対象範囲と完全には一致しません。
そして、給料の上がり方にも人による違いがあります。厚生労働省の2026年8月の毎月勤労統計速報では、名目賃金の現金給与総額が前年同月比+3.8%、持家の帰属家賃を除いた消費者物価で調整した実質賃金が+1.5%でした。
賃金上昇が確認できることは、僕にとって明るい材料です。でも、平均が上がっていても、賃金が十分増えない人、年金など限られた収入で生活する人もいます。
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026年8月分結果速報」。消費者物価指数とは調査対象月・定義が異なります。
「緩やかなインフレは望ましい」ということと、「すべての人が今の物価高に耐えられる」ということは別の話なのだと思います。
僕は一律減税より、困っている人への再分配を重視したい
僕は、努力した人が努力した分だけ報われる社会であってほしいと思っています。企業が利益を出すことにも意味があるし、社員の頑張りが賃金に反映されることも大切です。
でも、だからといって、困っている人を自己責任だけで片づけるつもりはありません。富の再分配は、社会に必要な仕組みだと考えています。
生活が苦しい人への所得に応じた給付や支援は必要です。ただ、そのための財源も必要です。税金は、何でも減らせばいいというものではありません。
消費税減税にも家計を助ける効果は期待できます。一方、所得の高い人も低い人も対象商品を買えば恩恵を受けるため、支援を特に必要とする人へどの程度届くか、という論点があります。
そこで僕は、一律の消費税減税だけでなく、困っている人へ届く支援策も比較するべきだと思います。今回の法案で減税と所得に連動した支援を組み合わせようとしている点も、きちんと見ておきたいところです。
減税で価格が変わらなかったら、誰が豊かになるのか
仮に消費税率が下がっても、税込価格は変わらず、食品メーカーや小売店の利益が増えたとします。
それ自体を、僕は必ずしも悪いとは思いません。企業は原材料費や人件費の上昇に対応しなければいけないからです。
また、会社の課税所得が増えれば、法人税収が増える可能性があります。従業員の給与が増えれば、給与にかかる所得税収が増える可能性もあります。消費税収が減るとしても、ほかの税収に影響が出ないわけではありません。
ただし、増えた法人税や所得税で、消費税の減収分を賄えると決まっているわけではありません。企業の会計上の利益と法人税の課税所得も必ずしも同じではなく、景気や企業行動によって結果は変わります。
参考:国税庁「税金の分類」。
そして、ここが僕の判断基準です。
企業の利益だけが増え、消費者の負担も減らず、社員の賃金にもつながらない。そんな結果なら、減税する必要はなかったのではないか。
僕が望むのは、企業も国民も豊かになること。企業収益の改善が、働く人の賃金や経済全体に還元されることです。
2年間の減税を、何で「成功」と判断するべきか
今回のような時限的な政策には、実施した後の答え合わせが欠かせません。僕なら次の点を確かめたいです。
- 対象食品の税込価格:減税前後で、同じ商品の価格はどれくらい変わったか。原材料費などによる通常の価格変動と区別できるか。
- 企業の収益と賃金:利益が増えた場合、その一部が人件費や設備投資に回ったか。
- 家計への実際の恩恵:特に生活に余裕のない世帯で、購買力や負担が改善したか。
- 財政への影響:消費税の減収と、法人税・所得税などを含めた税収の変化はどうだったか。
- 期間終了後:税率を戻したとき、価格や家計にどのような反動が出たか。
減税しただけで政策が成功したとは言えません。値下げだけが成功とも限らない。何のための減税だったのかを決め、その目的に照らして結果を見ることが大切だと思います。
51歳・資産2.2億円の僕は、インフレでも投資方針を変えない
では、自分の資産運用はどうするのか。
僕は2026年9月時点で、金融資産を約2.2億円保有しています。米国株・投資信託・企業型確定拠出年金などを中心に、現金や金・銀、複数の外貨にも資産を分けています。
ただし、これからインフレが続きそうだからという理由で、投資方針を大きく変えるつもりはありません。
今後10年、20年と日本でも緩やかなインフレが続く可能性はあると思っています。でも、それは日本が世界で一般的な物価や賃金の変化に、ようやく近づいてきた一面とも捉えています。もちろん、将来の物価上昇率が2%になると決まっているわけではありません。
現金3,000万〜4,000万円の購買力低下は受け入れる
僕はこれまで、現金を3,000万〜4,000万円程度持っておきたいと考えてきました。現金の役割は、高い利回りを得ることではありません。教育費や想定外の支出、相場急落などに対応できる安心感です。
当然、物価が上がれば、同じ金額の現金で買えるものは減ります。
仮に物価が毎年2%上がり続け、現金の名目額は変わらず、利息も考慮しない場合、現在の購買力で換算した価値は次のようになります。
| 経過年数 | 現金3,000万円の実質価値 | 現金4,000万円の実質価値 |
|---|---|---|
| 現在 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 10年後 | 約2,461万円 | 約3,281万円 |
| 20年後 | 約2,019万円 | 約2,692万円 |
| 30年後 | 約1,656万円 | 約2,208万円 |
筆者計算。現在の価値=名目現金額÷(1.02の経過年数乗)。あくまで年2%が毎年続く仮定の購買力比較であり、将来の物価予測ではありません。預金金利、税金、支出による残高変化は考慮していません。
30年経てば、今の購買力の約55%。確かに大きな目減りです。
それでも僕は、現金が持つ安心感を手放す必要はないと思っています。現金の実質価値が仮に半分になっても、名目3,000万〜4,000万円を維持しているなら、現在の価値で1,500万〜2,000万円に相当する余力があるという考え方もできます。
もちろん、これは今後の支出や保有資産の変動を無視した単純な考え方です。現金を持つことのコストは認識していますが、僕にとってはそれを受け入れてでも持っておきたい余力なのです。
インフレで現金の購買力が減ることは避けられないとしても、だからといって現金をすべて投資に回す必要はありません。資産の役割が違うからです。
現金残高を基準に資産の売却・購入を考える僕の出口戦略は、現金3,000万円を基準にした取り崩しルールの記事で詳しく書いています。
また、インフレを考慮すると過去の資産増加は実質何倍なのか、という点は資産6,055万円から2.2億円までの実質成長を検証した記事でも確認しています。
僕が本当に気にしているのは、日本経済の好循環が続くかどうか
消費税が1%になるかどうかだけで、僕の長期投資方針が変わることはありません。
それよりも気になるのは、日本経済の歯車が、この先も回り続けるかということです。
企業が原材料費や人件費の上昇分を適切に価格へ転嫁し、利益を確保する。そして賃金が上がり、働く人が前より豊かになり、消費や投資につながっていく。
この流れが本当に持続するなら、日本経済にとって前向きな変化です。逆に、物価だけ上がって賃金や生産性が追いつかないなら、喜んでばかりはいられません。
僕は日本経済に希望を持ちたい。ただし、希望と実績は分けて、これからもデータを確認していくつもりです。
複数通貨や金・銀に分散する理由については、円だけに集中しない資産配分の記事でも書いています。
まとめ|「物価が下がったか」だけでなく「国民が豊かになったか」を見たい
食料品の消費税減税には、家計の負担を下げる可能性があります。税抜価格が変わらなければ、対象商品の税込価格は理論上、税率の差だけ下がります。
一方で、人件費や仕入れ価格が変われば、減税分が全額店頭価格に反映されるとは限りません。海外では相当部分が消費者へ還元された研究もあり、「絶対に下がらない」とも言えません。
僕自身は、価格があまり変わらない可能性もあると思っています。それでも企業の経営に余裕が生まれ、従業員の賃金が上がるなら、一定の意味はあるでしょう。
ただし、企業だけが豊かになり、国民に恩恵が届かず、税収だけが減るのであれば、それは望む結果ではありません。
そして僕は、持続的な2%程度のインフレそのものを悪者にしたいとは思いません。必要なのは、価格だけを下げることよりも、賃金と生産性を上げ、どうしても困る人には適切な再分配をすることだと考えています。
結局、減税の成功は「物価が下がったか」だけではなく、「企業と国民が、前より豊かになったか」で判断したい。
51歳の長期投資家として、今はそう考えています。
※税制、国会審議、物価・賃金統計は今後更新されます。2026年10月31日以降の法改正・最新値については各公的機関で確認してください。本記事の投資・政策に関する評価は筆者の個人的見解であり、特定の政策・政党・金融商品の支持や投資勧誘を目的とするものではありません。

