2026年3月25日、妻と子ども3人を連れた家族5人のイタリア・エジプト旅行で、忘れられない事件が起きました。
旅行2日目、ローマで財布を盗まれたのです。しかも、気づいてクレジットカードを止めるまでの間に、1枚のカードで約330万円もの不正利用が発生していました。
不正利用の場所としてカード会社から告げられたのは、私たちがいたローマではなく、遠く離れたドバイ。利用明細にも実際に金額が載り、カード会社からは「暗証番号が入力された形跡がある」と説明されました。
「この330万円は、自分で払うことになるのだろうか」。あのときの不安は今でも覚えています。
結論から書くと、約330万円は最終的に銀行口座から引き落とされませんでした。ただし、これは私個人の事例であり、すべての不正利用が同じように処理されるという意味ではありません。
今回は、財布を失ってから実際に取った行動、ローマの警察への届出、カード会社とのやり取り、そして約1か月後の結末を、できるだけ具体的に残しておきます。

ローマで財布を盗まれたのは、旅行2日目だった
その日は家族でコロッセオを観光し、近くのイタリアンレストランで昼食を取りました。その後、周辺の観光地を歩き、宿泊先に戻ったところで財布がないことに気づきました。

財布は、体の前に掛けたバッグの中に入れていました。バッグのチャックも閉めていたつもりです。歩いているうちに少しずつ開けられたのかもしれませんが、盗まれた瞬間を見たわけではありません。正確にどこで財布がなくなったのかは、今でも分かりません。私は盗難だったと考えていますが、犯行の瞬間を目撃したわけではありません。

宿泊先はホテルのフロントがある施設ではなく、Airbnbのような民泊でした。スタッフにすぐ相談できる環境でもありません。

しかも、財布を失ってからカードを停止するまで、おそらく4時間以上経っていました。
盗まれたのは現金だけではなかった
財布に入っていたものは、思い返すだけでも冷や汗が出ます。
- デルタ スカイマイルのVISAクレジットカード
- 三井住友銀行、プレスティアなどの銀行・キャッシュカード
- 運転免許証
- 健康保険証
- いくつかのサイトで使うパスワードに関するメモ
パスワードのメモは、すべてをそのまま読める形で書いていたわけではありません。ただし、そもそも財布に入れて持ち歩くべきではなかったと反省しています。盗まれたクレジットカードの4桁の暗証番号は、メモには書いていませんでした。
幸い、スマートフォンとパスポートは盗まれませんでした。この2つが手元に残ったことは、その後の対応で本当に大きかったと思います。
ドバイで約330万円。不正利用は1枚のVISAカードに集中していた
すぐにカード会社へ連絡すると、驚くことを告げられました。盗まれたデルタ スカイマイルVISAカード1枚で、合計約330万円が使われていたというのです。
カード会社から当時説明された利用地はドバイで、通貨はUAEディルハムでした。私の記憶では、日本円で1回40万〜50万円程度の買い物が繰り返されていました。ただし、その個別取引を示す当時の画面は現在残っていません。
しかも、単なる利用未遂ではありません。私のカード利用明細に不正利用額が表示され、請求につながる段階まで進んでいました。
旅行前には、海外でカードが使えなくなると困ると思い、わざわざ利用枠を高く設定してもらっていました。私の理解では、その大きな利用枠も被害額が膨らんだ一因でした。最終的には利用限度額に達して、それ以上の利用が止まったようです。
私はローマにいるのに、カードはドバイで使われている。いったい何が起きたのか、すぐには理解できませんでした。
残っている証拠画像は、個々の海外決済ではなく、後日付いた「被悪用調整」3,214,884円の明細です。以下の金額は当時説明された被害総額の概数として「約330万円」と表記し、調整額とは区別します。証拠画像は記事後半に掲載します。
「暗証番号が入力された形跡がある」と言われた
さらに不安になったのが、カード会社からの説明でした。
カード会社からは「暗証番号が入力された形跡があるため、補償されない可能性もある」という趣旨の説明を受けました。実際にどんな認証が行われたのか、私自身は調査記録を確認できていません。
盗難前に4桁の暗証番号を使った記憶があるのは、前日に空港のATMで現金を引き出したときと、当日の昼食時です。レストランではタッチ決済ができず、暗証番号を入力しました。
その場で誰かに見られていたのか、まったく別の方法で情報が使われたのか。結局、原因は分かっていません。特定の店や店員、ATMが事件に関わっていた証拠もなく、関与を疑うような断定はできません。
分からないものは、分からないまま記録しておこうと思います。
私が実際に行ったこと【カード停止から警察への届出まで】
1.スマートフォンから日本のカード会社に連絡した
私は以前から、クレジットカードの表裏を撮影し、スマートフォンから確認できる保護された場所に保存していました。幸いスマホは無事だったので、カード裏面に記載された連絡先を確認し、日本のカード会社に電話できました。
この準備は今回本当に役立ちました。ただし、カード番号やセキュリティコードが写った画像の保存には情報漏えいリスクもあります。誰にでも同じ保存方法を勧める趣旨ではありません。カード会社の公式アプリや、紛失時の連絡先を安全に確認できる方法を事前に考えておくことが重要だと思います。
2.銀行・キャッシュカードも利用停止した
クレジットカードだけでなく、三井住友銀行やプレスティアなどのカードも停止しました。プレスティア側のカードについては、セキュリティの判定で不正な引き出しは成立しなかったと認識しています。
停止や再発行の手続き自体は、旅行中でも基本的にインターネットで進められました。しかし、再発行されたカードを旅行先ですぐ使えるわけではありません。実際のカードは日本で受け取りました。
3.ローマの警察に届け出て、受理書を受け取った
その日の夕方、Googleで近くの警察署を探し、自分で歩いて行きました。宿泊先にフロントはなかったので、手続きも自分で進める必要がありました。
警察では、財布に何が入っていたかなど、さまざまなことを聞かれました。片言の英語で何とか説明し、約1時間かけて届出の書類を受け取りました。書類のイタリア語には「SMARRIMENTO(紛失)」と記されています。私は財布を盗まれたと考えていますが、この書類そのものは警察が盗難の事実を認定した証明書ではありません。
言葉が十分に通じない環境で警察に事情を説明するのは、正直かなり大変です。それでも、あとからカード会社に説明するために、現地で記録を残しておこうと考えました。

4.不正利用申告書などを提出し、調査を待った
その後、カード会社にメールで不正利用に関する申告書を提出しました。警察で受け取った届出書類も提出しています。
調査中は何度か問い合わせをしました。担当者は丁寧に対応してくれ、最終的には「引き落としはしません」という趣旨の連絡を受けました。
5.免許証の悪用に備え、信用情報機関にも申告した
運転免許証も盗まれていたため、帰国後のなりすましやローン契約なども心配でした。そこで、日本の信用情報機関に、本人確認書類が盗難に遭ったことを知らせる申告を行いました。
こうした仕組みとして、CICの「本人申告」や、JICCの「不正利用防止の届け出」があります。私は複数の機関に申告しましたが、実際に利用した機関名は控えを再確認しているところです。
重要なのは、これはすべての新規契約を自動的に禁止できる制度ではないという点です。信用情報を照会する会社への注意喚起であり、悪用を完全に防げる保証はありません。
約1か月後、330万円は引き落とされなかった
すべてが解決するまで、私の記憶では約1か月かかりました。カード会社からの調査結果はアプリ上の案内・メールで確認しましたが、保存期限が過ぎ、今はその文面を表示できません。
そして結論は、約330万円の不正利用額は、銀行口座から引き落とされないというものでした。
一度支払った330万円があとから戻ってきた、という話ではありません。利用明細には計上されましたが、最終的に口座からの引き落としが行われなかったというのが正確です。
本当にほっとしました。あのときのカード会社の丁寧な対応には、今でも感謝しています。
ただし補償の可否は、カード会社の規約、利用状況、届出時期、調査結果などによって異なります。「私が大丈夫だったから、誰でも大丈夫」とは言えません。実際の対応は、必ず利用先のカード会社に確認してください。
下の画像は、2026年4月15日付のカード利用明細に表示された「被悪用調整 −3,214,884円」という記録です。実際に処理された調整額を確認できる資料として掲載します。ただし、これだけで個々の不正決済の内容、カード会社の調査理由、銀行口座の全入出金が証明されるわけではありません。

海外で財布やカードを盗まれた人へ、私が伝えたいこと
今回の経験から、被害に遭った直後には次の順番で動くことが大切だと感じました。
- クレジットカード・銀行カードを速やかに停止する。公式アプリやカード会社の正式な窓口を確認する。
- 利用明細を確認し、見覚えのない取引を申告する。日時・金額・通貨などを控える。
- 現地警察に被害を届け、記録を残す。必要となる書類はカード会社・保険会社に確認する。
- 身分証明書の悪用にも備える。必要に応じて信用情報機関の本人申告制度などを調べる。
- 旅行を続けるための支払い手段を確保する。家族がいても、カードが全部同じ財布に入っていたら一度に失う可能性がある。
これは私の体験から整理した順序です。実際にはパスポートの紛失や身の安全など、もっと優先すべき問題が生じることもあります。
お金の被害以上に、忘れられないことがある
不正利用の金額を聞いたとき、私は相当に動揺していました。子どもたちにはできるだけ不安を見せたくない。そんな中、妻が「330万ぐらい、私が働いて返してあげる」と言ってくれたのです。
その言葉に、どれだけ救われたか分かりません。
しかも旅行は、まだ2日目。クレジットカードがすべて使えない状態で、家族5人のイタリア・エジプト旅行をどう続けるかという問題も残っていました。
実は、たまたま財布とは別の場所に保管していた50万円以上の日本円が残っており、それが旅行を続けるための命綱になりました。現金を守るために取った驚くような対策や、エジプトでの両替の苦労については、別の記事に詳しく書きます。
私にとって今回の教訓は、海外旅行での盗難対策だけではありません。お金を守るための準備と、苦しいときに支え合える家族のありがたさ。その両方を強く感じた旅行でした。
参考にした公式情報
- 三井住友カード:紛失・盗難による不正利用の申請(手続きの一例。カード発行会社によって異なります)
- CIC:本人申告について
- JICC:不正利用防止の届け出
※この記事は2026年3月25日の筆者の実体験を記録したものです。被害の経緯やカード会社の個別判断は本人の説明と保管資料に基づきます。制度や問い合わせ先は変わる可能性があるため、手続き時には各社の公式情報をご確認ください。
