米国株は上がりすぎ?S&P500を対数チャートで見ると印象が変わる理由【2026年】

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「米国株、もう上がりすぎじゃないの?」

これから投資を始めようとしている人が、S&P500や全世界株式(オール・カントリー)の長期チャートを見たとき、こんな不安を感じるのは自然なことだと思います。

普通のチャートでは、右肩上がりどころか、最近になるほど急激に跳ね上がっているように見えるからです。

「今からでは遅いのでは」「もうバブルでは」「買った直後に大きく下がるのでは」。私もその気持ちはよく分かります。

でも、ここで一つ知ってほしいことがあります。同じ割合で上がり続けているだけでも、普通のチャートでは右端がどんどん急に見える、ということです。

これは「今の米国株はバブルではない」という話ではありません。チャートの見た目だけで投資を諦めてしまう前に、もう一つの見方を知ってほしい。そんな思いで、私自身が積立を始めた2018年の記録とともに、S&P500の長期チャートを比べてみます。

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2018年の私にも、S&P500は十分「上がりすぎ」に見えていた

まずは、1975年から2018年8月までのS&P500指数を、普通の目盛りで表示したチャートを見てください。2018年8月は、私が楽天VTI・楽天VYMの積立を実際に始めた月です。

1975年から2018年8月までのS&P500長期チャート。通常目盛りでは右肩上がりが急になり、赤い縦線で筆者の積立開始時期を示している。

2018年8月、私が積立投資を始めた当時のS&P500。普通のチャートでは、すでに「上がりすぎ」に見えていました。この先の株価がどうなるか、当時の私には知る由もありませんでした。

どうでしょうか。右端に向かって、株価が急上昇しているように見えませんか。

今の私たちは2018年の後に何が起きたかを知っています。でも、2018年8月にいた私には、その後のチャートは見えていませんでした。

当時のブログには、楽天VTIについて「絶賛高値更新中」と書き、最後に「なーんかやな予感がします。」という言葉まで残していました。それでも私は、月10万円の積立を開始しました。

そして、実際にその年の終わりには相場が下がりました。始めた直後に不安になる局面もあったのです。

2018年3月に計画し、設定や買付で2度失敗し、ようやく8月にスタートした経緯は、当時の記事を2026年に検証した次の記事にまとめています。

→ 【実体験】月10万円の積立投資を始めるまでに2度失敗した話と8年後の検証

2026年のチャートを見ると、今度はもっと「バブル」に見える

次に、同じS&P500指数のデータを2026年9月まで延ばしてみます。目盛りは先ほどと同じ、普通の目盛りです。

1975年から2026年9月までのS&P500長期チャート。通常の線形目盛りでは近年の株価上昇が急角度に見える。2018年8月の積立開始時期を赤線で表示。

2026年まで期間を延ばすと、今度は現在の株価が急激に上昇しているように見えます。しかし、この角度だけで「米国株はバブルだ」と判断できるのでしょうか。

やっぱり怖く見えますよね。2018年の私が感じた不安を、今から投資する人も感じると思います。

ただ、ここに普通の目盛りの特徴があります。普通のチャートは、株価や指数が「いくつ上がったか」という値幅を同じ高さで表示します。上昇した割合を同じ高さで表示するわけではありません。

100が110になるのも、110が121になるのも、同じ10%

難しい数学を使わずに考えてみましょう。株価が毎年10%ずつ上がると仮定します。

時点 株価 前年からの増加 上昇率
最初 100 ― ―
1年後 110 +10 +10%
2年後 121 +11 +10%
3年後 133.1 +12.1 +10%

増える数値は10、11、12.1と大きくなります。でも、上昇率は毎年ずっと10%です。

さらに、100→200は100%の上昇ですが、1,000→1,100は10%の上昇です。どちらも値幅は「+100」なので、普通の目盛りでは同じ高さになります。

同じ値幅と、同じ上昇率は違う。この違いを長期チャートで見やすくするのが、次の対数目盛りです。

同じデータを対数チャートにすると、見え方が変わる

では、さっきの1975年〜2026年9月のデータをそのまま使い、縦軸の目盛りだけを「対数」に変更してみます。

1975年から2026年9月までのS&P500対数チャート。10の累乗と補助線で上昇率を比較しやすく表示。通常目盛りより長期的な成長ペースを把握しやすい。

②とまったく同じデータを対数目盛りで表示。上昇率を基準に見ると印象が変わります。普通のチャートが急上昇に見えるからといって、株価の上昇率まで急激に加速しているとは限りません。

どうでしょうか。直前の普通のチャートとは、かなり印象が違いませんか。

対数チャートでは、100→200も、200→400も、1,000→2,000も、すべて「2倍」という同じ割合の変化なので、同じ縦幅になります。

グラフの縦軸をよく見ると、100と1,000の間には200、300、400……という細かい補助線があり、上にいくほどその間隔が狭くなっています。これが対数目盛りの特徴です。

長期的な値動きを「何ポイント増えたか」だけでなく、「何%増えたか」という視点で見られるようになるのです。

普通のチャートの右端が急に見えることと、上昇率まで急激に加速していることは、同じではありません。

ただし、対数チャートは「バブルではない証拠」ではない

ここは誤解しないでください。私は「対数にすれば米国株は安全」「今の株価は割安だ」と言いたいわけではありません。

米国株が企業利益に対して割高かどうかは、PER、企業利益の伸び、金利などを別に見なければ判断できません。対数チャートは、適正な株価を教えてくれるものではないのです。

また、対数チャートにしても、2000年代初頭の下落や2008年の金融危機などははっきり分かります。目盛りを変えても投資のリスクは消えません。

普通のチャートが間違っているわけでもありません。値幅を見るなら通常目盛り、長期の変化率を見るなら対数目盛りと、目的によって使い分けるのが大切だと思います。

「上がりすぎに見える」だけで投資を諦めないでほしい

2018年の私は、当時の右端を見て「高すぎるのでは」と心配していました。今のチャートを見ている投資初心者も、きっと似た気持ちになると思います。

でも、「普通のチャートが急だから、今買えば必ず暴落する」とまでは言えません。長期チャートを対数で見れば、別の判断材料が得られます。

だからといって、今すぐ大金を一括投資する必要はありません。生活防衛資金を確保し、自分の家計とリスク許容度に合わせて考えることが先です。投資しないという判断も、もちろんありです。

ただ、チャートの見た目が怖いという理由だけで、何年も何も考えずに諦めてしまうのは、少しもったいないと思っています。

S&P500と米国株全体の違いが気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。

→ 楽天VTIとS&P500、どちらを選ぶ?私の実体験を踏まえた比較

また、投資信託のコストや新NISAでの商品選びを考えるなら、次の記事もあります。

→ VTIとeMAXIS Slim S&P500の違いを比較した記事

これから積立投資を検討する方へ

私が2005年から使い続けている証券会社は、マネックス証券です。2026年現在もメイン口座として利用し、新NISAと特定口座で合計月40万円の積立を続けています。

もちろん、誰にでも同じ証券会社が最適という意味ではありません。口座開設や積立を検討する方は、手数料・取扱商品・サービス内容を比較して、自分に合う方法を選んでください。

→ マネックス証券を21年間利用してきた実体験レビュー

→ 新NISAと特定口座、月40万円の積立設定の実例

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※上記リンクにはアフィリエイト広告を含みます。口座開設条件やサービス内容は公式サイトでご確認ください。株式・投資信託には価格変動や元本割れのリスクがあります。

まとめ:チャートの「角度」だけで、もう遅いと決めつけない

私がこの記事で伝えたかったのは、米国株は必ず上がるという話ではありません。

普通のチャートでは右端が急上昇して見えても、それだけで「上昇率が異常に加速している」「もうバブルだから下がる」とは言い切れない、ということです。

2018年の私に未来は見えませんでした。そして2026年の私にも、これからの未来は分かりません。

だからこそ、怖いと感じたときには、普通の目盛りと対数目盛りの両方で見て、自分が何を怖がっているのかを整理する。投資を始めようか迷っている人に、この見方を知ってもらえたらうれしいです。


グラフのデータと作成条件:DataHubで公開されているS&P500指数の月次データ(SP500列)をもとに作成。1975年1月〜2018年8月、または1975年1月〜2026年9月を表示。2018年8月の赤い線は筆者が楽天VTI・楽天VYMの積立を始めた時期を示します。グラフはS&P500指数の値であり、筆者が当時購入した投資信託の基準価額ではありません。配当を含まない価格指数のため、実際の運用損益や将来のリターンを示すものではありません。参考:DataHub・S&P500 Historical Data。

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