こんにちは、nobu2394.comです。
ボーナス査定について、前回の記事では「本人の成果だけではなく、相対評価や所属部署によって評価が変わることがある」という話を書きました。
今回は、査定する側を経験して特に生々しいと感じた、「昇格時期と評価の関係」に絞って書きます。
私は2017年ごろから2022年ごろまで約5年間、管理職として部下15人前後を持ち、延べ70人ほどの評価・査定に関わりました。
※以下は私が査定に関わっていた当時の経験です。現在の制度や運用が同じとは限りません。また、すべての会社に当てはまる話ではありません。
結論|昇格時期が近い人の評価は「その期の成果だけ」では決まらないことがある
少し踏み込んで言うと、私が経験した査定では、昇格候補者の評価に「次の昇格に向けた事情」が入り込むことがありました。
本来、ボーナス査定はその期の成果を評価するものです。
しかし実際の組織では、昇格候補者を事業部や全社レベルで比較する場面があります。
そこで過去数年の評価実績が使われるため、査定会議では、
「この人はそろそろ昇格候補だから、今期はできれば高い評価を付けたい」
という議論が出ることがあります。
なぜ昇格に「過去の評価」が必要になるのか
理由は簡単です。
昇格候補者が同じ部署内だけなら、上司同士で仕事内容を比較しやすいです。
でも、事業部全体、さらに全社レベルまで広がると、候補者同士の仕事内容はまったく違います。
営業、設計、品質、製造、管理部門など、同じ物差しでは簡単に比較できません。
そのとき、誰が見ても比較しやすい材料として使われるのが、過去の査定結果です。
直近数年で高い評価を継続している人は、昇格候補として説明しやすくなります。
逆に、評価実績が弱いと、
「なぜこの人を今昇格させるのか」
と問われたときに説明しにくくなります。
査定会議ではAとBが入れ替わることもある
たとえば、ある部署でその期の成果だけを見た結果、A評価にしたい人が何人か決まったとします。
ところが、その中とは別に、来年あたり昇格候補に入る人がB評価になっていたとします。
すると会議で、
「この人は次の昇格候補なので、できれば今期はA評価にしておきたい」
という話が出ることがあります。
しかし上位評価には枠があります。
その人をBからAへ上げるなら、代わりに誰かをAからBへ下げなければならないことがあります。
ここから議論が一気に複雑になります。
成果だけならAだった人がBになり、成果だけならBだった人がAになる。
私は実際に、こういう調整が起こり得る査定会議を経験しました。
これが私が一番「不公平だ」と感じる部分
相対評価には相対評価なりの合理性があります。
評価の甘い部署と厳しい部署を減らしたい、全員が高評価になるのを防ぎたい、という会社側の事情も理解できます。
ただ、昇格時期という理由で評価が動くのは、今振り返っても違和感があります。
その期の成果評価と、将来の昇格判断は、本来は少し分けて考えた方が公平ではないかと思うからです。
もちろん、昇格させたい人を計画的に育てたい会社側の事情もあります。
でも、そのために別の人の評価が下がるなら、査定される側からすると納得しにくいでしょう。
査定される側ができること|昇格の「年次」を意識する
ここからは、かなり生々しい話です。
多くの会社では、昇格する標準的な年次がだいたい決まっています。
たとえば入社後何年目、前回昇格から何年目、といった目安です。
長く働いていれば、自分でも、
「そろそろ次の昇格候補に入る時期だな」
と分かってきます。
そのタイミングでは、普段以上に高い評価を取れる成果を意識して出すことには意味があると思います。
- 大きな成果が見えやすい仕事をやり切る
- 数値や事実で説明できる結果を残す
- 上司が査定会議で説明しやすい形に整理する
- 自分に期待されている役割を事前に確認する
少しいやらしい言い方をすれば、頑張り方にメリハリを付けるということです。
もちろん、これをやれば必ずA評価やS評価が取れるわけではありません。
ただ、昇格候補に入る時期に明確な成果があれば、上司としても高評価を説明しやすくなります。
私は査定する側として、それは実際に効果があると感じていました。
「上司に媚びる」のではなく「説明できる成果を作る」
ここは誤解されたくないところです。
私が言いたいのは、上司に気に入られればいいという話ではありません。
査定会議では、上司も他の査定者に対して、
「なぜこの人を高く評価するのか」
を説明しなければなりません。
だから、評価される側として大切なのは、上司が説明できる材料を作っておくことです。
数字、改善効果、トラブル解決、顧客評価、プロジェクト完遂など、第三者が見ても理解できる成果があると強いです。
大企業の人事制度は簡単には変えられない
私はこうした調整のある制度には、今でも歪みがあると思っています。
長期的には、正当な成果評価からのズレが少しずつ組織を弱くする可能性もあると感じます。
一方で、何万人もの社員がいる大企業で、完全に透明で公平な制度を作る難しさも理解しています。
仕事内容が違う人を同じ基準で比較すること自体が難しいからです。
そのため、今の私の考えは、
「制度には歪みがある。でも、完璧な代替制度を作るのも簡単ではない」
です。
ボーナス査定の全体像はこちら
この記事では昇格時期に絞りましたが、ボーナス査定全体では、部署ごとの相対評価や所属部署による競争環境の違いなども影響します。
元査定者として約5年間・延べ70人を評価した経験をまとめた主記事はこちらです。
【元査定者が解説】ボーナス査定はどう決まる?5年間・延べ70人を評価して分かったこと
ボーナスの差は資産形成にも積み重なる
評価が一段階違えば、ボーナスや年収の差は小さくありません。
会社員として長く働くほど、その差は累積します。
そして、そのお金を投資へ回せば資産形成にもつながります。
私は51歳になった今、投資テクニック以上に「入金力」が資産形成へ効いたと感じています。
【51歳・資産2.2億円】資産形成で一番効いたのは投資ではなかった|私の感覚は「入金力6:投資3:会社制度1」
まとめ|昇格時期を知ることも会社員の戦略になる
私の査定経験では、昇格時期が近い人の評価に、将来の昇格事情が影響することがありました。
- 昇格判断では過去の評価実績が材料になる
- 高評価の実績を作るため査定調整が起こることがある
- 上位評価の枠があるため、別の人の評価に影響する場合がある
- 査定される側も自分の昇格時期を意識する意味がある
- 大切なのは上司に媚びることではなく、説明できる成果を残すこと
少しいやらしい話ですが、会社員として制度の中で働く以上、こうした仕組みを知っておくことは無駄ではないと思います。
※本記事は私個人の過去の査定経験をもとにしたものです。現在の勤務先の制度・運用を説明するものではなく、すべての会社に当てはまる内容でもありません。

