
2026年11月5日、S&P500は前日比−4.36%と急落。翌6日は+0.31%と小幅に反発しました。グラフは10月27日〜11月6日の日次終値と騰落率を示しています。出典:Yahoo Finance(2026年11月6日終値まで)。※株価グラフの縦軸はゼロ起点ではありません。
「株価が下がったら、投資を始めようと思っている」
これまで、そんな話を何度も聞いてきました。
では、実際に株価が下がった今、聞いてみたいことがあります。
株価が下がりましたよ。今、買えますか?
少し挑発的に聞こえるかもしれません。でも、投資を始めたいと思いながら何年も見送ってきた人に、今日はどうしても伝えたいことがあるんです。
今、怖くて買えないのなら、無理に一括購入をしなくていい。その代わり、少額の積立投資を始めてみませんか。
これが、この記事で一番伝えたい結論です。
「下がったら買う」は簡単。でも、実際に下がると買えない
株価が上昇しているときは、「今は高い。もっと安くなってから買おう」と思いがちです。ところが、本当に下落が始まると景色は一変します。
ニュースでは景気後退への不安が語られ、SNSには悲観的な見通しが流れ、「明日はもっと下がるかもしれない」と感じる。
そこで買うのは、簡単なことではありません。特に初めて投資する人なら、怖くて当たり前だと思います。
僕は「買えない人は意志が弱い」と言いたいわけではありません。むしろ、下落を待っていたはずなのに、下落したらますます決断できなくなる。その心理こそが、投資の難しいところだと感じています。
ちなみに、今回の値下がりを、僕自身は2020年のコロナショック級の「暴落」だとは捉えていません。それでも、これから投資を始める人にとっては、相場と向き合う良いきっかけになるのではないでしょうか。
僕は2020年と2022年の下落局面で、実際に買ってきた
ここで少しだけ、僕自身の話をさせてください。
僕は2018年から楽天VTI・楽天VYMの積立投資を続けています。それとは別に、米国株が大きく下がったときには、米国ETFの本家VTIなどを自分の判断で買い増してきました。
2020年のコロナショック、そして2022年の米国株安。どちらも実際に行動した時期です。
当時の証券口座の履歴を振り返ると、2020年には550万円・300万円・400万円の合計1,250万円、2022年には500万円を3回、合計1,500万円をマネックス証券口座に大口入金していました。2年間で合計2,750万円です。
そのタイミングを、VTIの株価とドル円の推移に重ねたのが次のグラフです。

入金した金額が、すべてその日に株式の買付に使われたわけではありません。入金日、ドルへ交換した日、実際の約定日は別です。ここは誤解のないように区別しておきます。
一方で、2022年に本家VTIの保有株数が2021年12月の325株から2022年12月の790株へ、465株増えたことも、口座の月次保有記録で確認できています。下落局面で実際に買い増していたことを示す、もう一つの記録です。
詳しい取引履歴は、2020年・2022年の入金記録と株価・為替を照合した記事、そして2022年にVTIを465株買い増していたことを検証した記事で公開しています。
僕は「暴落で買う」と言うだけでなく、実際に買ってきた。だからこそ、今日の話をしています。
でも、あなたに僕と同じ買い方は求めません
ここが一番大事です。
僕が下落時にまとまった資金を投じたからといって、投資初心者のあなたに同じことをしてほしいとは思いません。
スポット購入は、買う時期も金額も自分で決める投資です。買った翌日にさらに10%下がるかもしれません。下落が何か月も続く可能性だってあります。
僕自身、相場の底を正確に当てられたわけではありません。今振り返ると、たまたまうまくいった判断もあるでしょう。
そんな難しいことを、投資を始めたばかりの人が無理にする必要はないと思っています。
それならば、「いつ買えばいいか」を考え続けることから、「毎月少しずつ買う」という仕組みに変えてしまう方が、ずっと続けやすいのではないでしょうか。
「もっと下がるまで待つ」では、いつまでも始められない
例えば、今日から毎月3,000円を積み立てると決めたとします。
来月さらに下がれば、同じ3,000円で今月より多くの口数を買えます。逆に上がれば、すでに買った分には値上がりの恩恵が生まれます。
もちろん、どちらのケースでも利益が保証されるわけではありません。それでも、毎月の積立を決めておけば、今日が底なのか、来月もっと安いのかを当てる必要はなくなります。
ここで大切なのは、いわゆる「タイミングを当てること」よりも、長期で資産形成をするために、市場に参加し続ける時間をつくることだと僕は考えています。
「もう少し待てば、もっと有利な価格で始められるかもしれない」。そう考える気持ちは分かります。でも、その待ち時間に相場が上がってしまう可能性もあります。どちらになるかは、誰にも分かりません。
ならば、最初から満点のタイミングを目指さず、長い時間をかけて積み立てる。僕はその考え方を勧めたいです。
新NISAなら、まず少額の積立設定から
初めての投資なら、僕が勧めたいのは次のような始め方です。
- 生活費や近いうちに使うお金は預貯金で確保する。 借金をして投資したり、生活に必要なお金を無理に回したりしない。
- 新NISAの「つみたて投資枠」を知る。 金融庁の基準を満たした、長期・積立・分散投資に適した投資信託などが対象です。
- 無理のない金額で自動積立を設定する。 毎月1,000円や3,000円など、自分が続けられる額からで構いません。投資先も、低コストで幅広く分散された投資信託などを調べて選べばいいと思います。
米国株だけでなく世界中の株式に分散する投資信託もあります。僕自身はVTIなど米国株の保有が十分に大きいため、今後は金や全世界株式などへの分散も考えています。ただ、どの商品が合うかは年齢、資産、目的、リスク許容度によって違います。
制度の基本と対象商品については、金融庁のNISA公式サイトを確認してください。
2018年からの僕の積立投資については、楽天VTI・VYMの積立を始めた当時の記事も残っています。長く続けてきた投資だからこそ、今の考え方があります。
始めた直後に損をするかもしれない。それでも、僕は積立を勧めたい
ここは正直に書きます。
今から積立投資を始めても、来月、半年後、あるいは数年後まで評価額がマイナスのままという可能性はあります。投資信託に元本保証はありません。長く積み立てれば必ず儲かる、とも言えません。
だから、数年以内に必要な教育費や生活防衛資金まで投資するべきではありませんし、眠れなくなるほど大きな金額を積み立てる必要もありません。
それでも、10年、20年と先を見据えられるお金であれば、値下がりを恐れて何年もスタートを先延ばしにするより、自分が続けられる金額で積立を始めることには大きな価値があると、僕は思っています。
株式市場の将来は分かりません。でも、投資を始めるという自分の行動は、自分で決められます。
まとめ|今、買えないなら。それでも積立は始められる
もう一度、最初の質問に戻ります。
「株価が下がったら買う」と言っていたあなたへ。今、買えますか?
「買える」という人は、リスクを理解したうえで自分の判断を大切にしてください。
「正直、怖くて買えない」という人も、まったく恥ずかしくありません。僕のような大口のスポット購入は、しなくていいんです。
でも、「下がったら始める」と言いながら、これからも何年も待ち続けますか?
今日が最安値とは限りません。明日もっと下がるかもしれません。それでも、長期の資産形成を考えているなら、今は最初の一歩を考える良いタイミングです。
少額でもいい。まずは積立設定をして、未来の自分のために市場にいる時間をつくってみませんか。
僕は、あなたのその一歩を応援したいと思っています。
※本記事は筆者の実体験と考え方を紹介するもので、特定商品の購入や利益を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。家計や投資期間に応じて判断してください。

