【8年後検証】2018年に比較した製薬株5社|第一三共・大塚は2倍超、エーザイは下落

個別株・高配当株
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こんにちは、nobu2394.comです。

この記事を最初に書いたのは2018年3月14日。

当時43歳だった私は、花粉症で目をかきながら、なぜか日本の製薬会社の株を比較していました。

その後、2019年1月にも一度更新しています。

取り上げたのは、日本を代表する製薬会社5社。

  • 武田薬品工業(4502)
  • アステラス製薬(4503)
  • 大塚ホールディングス(4578)
  • 第一三共(4568)
  • エーザイ(4523)

当時の私は製薬会社について、

「景気が悪くなっても薬は必要なので、ディフェンシブな業界」

と考えていました。

一方で、新薬の開発や大型買収によって、株価には大きな差が出るとも感じていました。

あれから8年以上。

51歳になった2026年の今、当時比較した5社が実際にどうなったのか答え合わせしてみます。

調べてみると、同じ「日本の大手製薬株」でも結果は驚くほど違っていました。

※この記事は過去の株価や企業業績を検証するもので、特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。

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結論|8年間で5社の株価には大きな差がついた

まず結論からです。

元記事を書いた2018年3月14日の終値と、2026年9月25日の終値を比較しました。

会社 2018年3月14日 2026年9月25日 株価変化
第一三共 1,313円※ 2,929円 約+123%
大塚HD 5,361円 11,160円 約+108%
アステラス製薬 1,550円 2,399円 約+55%
武田薬品工業 5,648円 5,969円 約+6%
エーザイ 6,878円 4,955円 約▲28%

※第一三共は2020年10月に1株→3株の株式分割を実施しているため、2018年3月14日の終値3,940円を分割後ベースの約1,313円に換算しています。配当、税金、手数料は考慮していません。

同じ製薬業界でも、

2倍以上になった会社もあれば、8年前より株価が低い会社もあります。

「製薬株はディフェンシブだから似たような動きをする」というほど単純ではありませんでした。

もし5社に100万円ずつ投資していたら?

もう少し分かりやすくしてみます。

2018年3月14日に5社へそれぞれ100万円、合計500万円を投資していたと仮定します。

会社 100万円が約いくら?
第一三共 約223万円
大塚HD 約208万円
アステラス製薬 約155万円
武田薬品工業 約106万円
エーザイ 約72万円

合計すると、

500万円 → 約764万円。

株価だけなら約53%増えた計算です。

ただし、これは配当を一切含めていません。

武田やアステラスのように継続して配当を出している会社では、実際のトータルリターンはこの単純比較より高くなります。

武田薬品工業|5,648円→5,969円。株価はほぼ横ばい

まず武田薬品工業。

2018年の記事で私が最も注目していたのは、株価以上にシャイアー買収でした。

約7兆円という巨大買収。

当時の私は、

「あまりに巨額だけど大丈夫なの?」

とかなり疑心暗鬼になっています。

そして、

「ここ数年が見ものです」

と書いていました。

その「ここ数年」が過ぎました。

2026年3月期の武田薬品の売上収益は約4兆5,057億円。

5社の中では今も圧倒的な事業規模です。

一方、株価は、

2018年3月14日:5,648円

2026年9月25日:5,969円

約+6%。

株価だけを見ると8年間でほとんど増えていません。

ただし武田は配当を重視している銘柄なので、株価だけで評価するのは公平ではありません。

2018年の私も、武田については、

「キャピタルゲインというよりインカムゲイン向き」

と書いていました。

ここは8年後に読んでも、意外と当時の見方と大きくズレていません。

アステラス製薬|1,550円→2,399円。約55%上昇

続いてアステラス製薬。

2018年3月14日の終値は1,550円。

2026年9月25日は2,399円。

約55%の上昇です。

2026年3月期の売上収益は約2兆1,392億円。

コア営業利益も5,500億円を超えました。

2018年当時の記事では、

「新薬開発に注力している」

「買収も積極的」

という程度の見方でした。

8年間という時間で見ると、株価も企業規模も伸びています。

配当についても、2018年3月期の年間36円から、2026年3月期には年間78円まで増えています。

株価上昇だけではなく、株主還元も変化していました。

大塚HD|5,361円→11,160円。株価は2倍超

今回、自分でも少し驚いたのが大塚ホールディングスです。

2018年の記事では、

「大塚って家具屋じゃないですよ。ポカリスエットの会社です」

というような軽い紹介をしていました。

ポカリスエット、カロリーメイト、オロナミンC。

当時の私は、医薬品だけでなく、そうした身近な商品を持つ会社という印象を強く持っていたようです。

ところが2025年12月期を見ると、連結売上収益は約2兆4,689億円。

そのうち医薬品事業が約1兆7,442億円。

ニュートラシューティカルズ事業が約5,776億円です。

今や、この5社の中でも非常に大きな企業グループです。

株価は、

5,361円 → 11,160円。

約+108%。

8年間で2倍を超えました。

2018年の自分は、ここまでの株価成長を想像していませんでした。

第一三共|分割調整後1,313円→2,929円。約123%上昇

5社の中で、株価上昇率が最も大きかったのが第一三共です。

2018年3月14日の終値は3,940円。

ただし第一三共は2020年に1株を3株に分割しています。

比較できるように分割後ベースへ直すと、約1,313円です。

それが2026年9月25日には2,929円。

約+123%。

2倍を大きく超えました。

さらに面白いのが会社の中身です。

2018年の記事で私は第一三共を、

「循環器系に強い製薬会社」

と紹介していました。

ところが2026年現在の第一三共を見ると、会社の成長を語るうえで欠かせないのががん領域です。

2026年3月期の売上収益は約2兆1,230億円。

そのうちオンコロジー領域の売上は約9,540億円まで拡大しています。

8年前と同じ会社ですが、投資家から見た会社の姿はかなり変わったと言っていいと思います。

製薬会社は、一つの新薬や研究開発の成功によって企業価値そのものが大きく変わる。

2018年の記事で書いていた「医薬品業界は変化が大きい」というタイトルは、8年後に改めて実感できます。

エーザイ|6,878円→4,955円。5社で唯一の下落

逆に、株価だけを見ると厳しい結果になったのがエーザイです。

2018年3月14日:6,878円。

2026年9月25日:4,955円。

約▲28%。

2019年1月にこの記事を更新したときには、株価は9,000円前後。

途中では1万円を超えていました。

当時の私は、

「5社の中で唯一売上が二桁成長しており、成長性が株価に反映されているのではないか」

と考えています。

ところが長期間で見ると、株価は逆方向になりました。

2026年3月期の売上収益は約8,254億円。

現在はアルツハイマー病治療薬LEQEMBIなど、2018年とは違う大きな成長テーマもあります。

それでも株価は2018年3月の水準を下回っています。

これは製薬株の難しさをかなり象徴していると思います。

「良い研究をしている」「期待される新薬がある」ことと、株価が一直線に上昇することは別です。

2026年の売上規模を比べると順位も変わった

最新の通期売上収益を並べると、こんな感じです。

会社 直近通期売上収益 2026年9月時価総額
武田薬品工業 約4.51兆円 約9.56兆円
大塚HD 約2.47兆円 約6.06兆円
アステラス製薬 約2.14兆円 約4.34兆円
第一三共 約2.12兆円 約5.46兆円
エーザイ 約0.83兆円 約1.45兆円

2018年の記事ではアステラスを「業界2位」と紹介していました。

現在は売上規模では大塚HDがアステラスを上回っています。

さらに第一三共は売上ではアステラスと近い水準ですが、時価総額では第一三共の方が大きい。

市場が将来の成長にどれだけ期待しているかによって、売上規模と時価総額の順番は一致しません。

「製薬株=ディフェンシブ」は半分正しく、半分注意が必要

2018年の私は、製薬会社を「ディフェンシブ銘柄」と説明しました。

この考え方自体は今でも理解できます。

景気が悪くなったからといって、必要な薬を突然使わなくなるわけではありません。

ただ、今回8年間を比較して感じるのは、

「医薬品への需要がディフェンシブ」なのと、「製薬会社の株価が安定している」のは別の話

だということです。

製薬会社には、

  • 新薬の研究開発
  • 臨床試験の成否
  • 承認・不承認
  • 特許切れ
  • 大型買収
  • 海外売上
  • 為替

など、個別企業の株価を大きく動かす要因がたくさんあります。

8年間で+123%から▲28%まで差がついたことを考えると、

業界が同じだから株価も似る、とは言えません。

2018年の自分の予想で当たっていたこと

元記事を読み返して、一つ「これは結構いいところを見ていたな」と思った部分があります。

それは、

「医薬品業界は変化が大きい」

という点です。

武田はシャイアーを買収。

第一三共はがん領域が大きな柱へ成長。

大塚HDも事業規模を大きく拡大。

エーザイにはアルツハイマー病治療という新しい大きなテーマが生まれました。

8年前の売上順位や得意分野だけを見て、その会社の8年後を予想するのはかなり難しい。

これは改めて実感します。

実は同じ2018年、私は米国株の記事でNVIDIAにも注目していました。

当時は自動運転やGPUの将来性を見ていましたが、その後AI時代の中心企業になり、株価は当時から大きく上昇しました。

「未来のテーマに気づくこと」と「その未来がどこまで大きくなるかを正確に予想すること」は別だと感じた、もう一つの8年後検証です。

→ 【8年後の答え合わせ】2018年にNVIDIAに注目していた私|株価約38倍、AI時代の主役になった8年間

51歳の今なら、5社から1社を選ぶよりどうするか

2018年頃の私は、こうした会社を一社ずつ調べ、

「どれが上がるだろう」

と考えること自体をかなり楽しんでいました。

それはそれで投資の面白さだと思います。

ただ、51歳になった現在、私の資産形成の主役はVTIなどのインデックスです。

今回の5社を見ても、8年後の株価上昇率を2018年時点で正確に並べるのはかなり難しかったでしょう。

だから今の私は、

「どの製薬会社が勝つか」を資産形成の中心として当てにいくより、多くの企業をまとめて保有する方法を主軸にしています。

もちろん、個別株そのものを否定するつもりはありません。

実際、第一三共や大塚HDのように、長期間で大きく株価が上昇した会社もあります。

個別株にはインデックスにはない面白さがあります。

ただ、「面白い」と「資産形成の主役」は分けて考えるようになりました。

今の私は、インデックスを資産形成の主力にしながら、個別株は「投資を楽しむ枠」として付き合うくらいの距離感が自分には合っていると考えています。

→ 【51歳・資産2.2億円】個別株は何%まで?インデックスを主力にしても「投資を楽しむ枠」を残す理由

まとめ|同じ製薬株でも8年間の結果はまったく違った

2018年3月に比較した5社を、8年以上たった2026年にもう一度調べました。

  • 第一三共:約+123%
  • 大塚HD:約+108%
  • アステラス製薬:約+55%
  • 武田薬品工業:約+6%
  • エーザイ:約▲28%

5社すべて、日本を代表する大手製薬会社です。

同じ「ディフェンシブ」と呼ばれる業界でも、8年間の株価にはこれだけの差がつきました。

そして会社自身も変わりました。

2018年に「循環器系に強い」と書いた第一三共は、今ではがん領域が巨大な成長事業になっています。

大塚HDの株価は2倍を超えました。

一方、当時9,000円近くまで上昇していたエーザイは、2026年現在5,000円を下回っています。

製薬株はディフェンシブ。

でも個別企業の株価は決して単純ではない。

8年前の記事を残していたからこそ分かる、面白い答え合わせになりました。

こういう記事を書けるのが、長くブログを続けてきた一番の財産かもしれません。

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