こんにちは、nobu2394.comです。
最近、YouTubeを見ていると、GFS(グローバルファイナンシャルスクール)という投資スクールの広告がよく目に入ります。
「50代から新NISAを始めても、お金が増えるのはずっと先。それでは間に合わないのでは?」――私には、そんな不安を刺激する内容に感じられました。
もちろん、投資を勉強すること自体には大きな意味があります。私はGFSの有料講座を受けていませんし、講義の中身を批判できる立場でもありません。
それでも、広告に掲載された「毎月1万円が15年後に1,916万円」というグラフを見たとき、一度立ち止まって考えてほしいと思いました。
私は2018年、43歳の頃、日本株の短期売買や信用取引に真剣に取り組んでいました。相場の動きを読んで、できるだけ上手に利益を出したかったのです。しかし、丸紅の空売りでは50万円を超える損失を確定させ、元手300万円の大切さを痛感しました。
あれから約8年。51歳になった今の資産形成は、VTIなどのインデックス投資が中心です。その間に読んだ『敗者のゲーム』という本も、私の投資観を大きく整理してくれました。
この記事は、GFSが「詐欺」かどうかを決めつける記事ではありません。広告を見て早く投資で勝てるようになりたいと思った人に、その前に知ってほしい数字と、私自身の遠回りした経験をお伝えする記事です。
この記事で伝えたいこと
- 今回の広告の1,916万円は、毎月1万円を年率25%・月次複利で15年間運用した場合にほぼ一致する。
- 「NISAの成長投資枠を使うこと」と「年率25%を実現すること」はまったく別の話。
- 投資の知識が増えることと、市場平均を上回り続けられることは同じではない。
- 高額な講座の価値は否定しない。ただし、受講料だけでなく、その後に取る投資リスクまで考えて判断してほしい。
- GFSの広告にあった「15年後1,916万円」のグラフ
- 計算してみた。1,916万円にはどんな利回りが必要なのか
- 「NISAの積立」と「成長投資枠」は、利回りの違いではない
- GFSはどんなスクール? 良い面も含めて確認した
- プロでも市場平均に勝ち続けるのは難しい――SPIVAのデータ
- 私自身、投資で「早く勝ちたい」と考えて遠回りした
- 『敗者のゲーム』を読んで考え方が変わった
- 投資スクールの受講料――払う前に確認したいこと
- 私がもっと怖いのは、「もう株なんかやらない」と市場から去ること
- 50代・60代の初心者に、契約前に考えてほしい5つのこと
- 「20年も30年も待てない」――その気持ちはよくわかる
- まとめ|勉強することと「投資で勝てること」を分けて考えたい
GFSの広告にあった「15年後1,916万円」のグラフ
2026年10月25日に私が確認した広告の画像には、「貯蓄だけ」「NISAで積立だけ」「投資を学んだ人」という三つの立場を比較する見出しがありました。
その下には、毎月1万円を15年間続けた場合のシミュレーションが描かれています。
数字を読み取ると、次のような比較です。
| 広告の比較 | 15年後の金額 |
|---|---|
| 貯蓄のみ(利息なし) | 180万円 |
| 積立投資のみ(年利7%想定) | 約316万円 |
| オレンジの線(成長投資枠の活用) | 1,916万円 |
オレンジの線だけが、大きく上に伸びています。積立投資との金額差は、およそ1,600万円です。
このグラフを見た投資初心者が「投資の勉強をすると、オレンジの線に近づけるのかな」と感じても不思議ではないと思います。少なくとも私は、そう受け取られやすい構成だと感じました。
ただし、広告のグラフはシミュレーションであって、GFS受講生が実際に平均して1,916万円を達成した記録ではありません。
※数値は筆者が確認した広告画像から読み取ったものです。スクリーンショットには画像下部の注記が含まれていないため、元の広告全体の条件説明については確認の余地があります。広告の表現や内容は配信時期によって異なる可能性があります。
計算してみた。1,916万円にはどんな利回りが必要なのか
ここが今回、いちばん伝えたい部分です。
毎月1万円を15年間積み立てると、投資した元本は180万円になります。では、年率7%や25%で運用したらどうなるでしょうか。
毎月1万円×15年間の積立結果(独自再計算)
月末に1万円を180回積み立て、年率を12で割った月利で複利計算。税金・売買手数料・投資信託の費用は含まない。広告のグラフを模写したものではなく、数値を検証するために筆者が作成した比較図。
驚いたことに、年率25%を12で割った月利を使って計算すると、15年後は約1,915万9千円。広告の1,916万円とほぼ一致します。
ただし、これはあくまで私が広告の金額から逆算した条件です。GFSが「受講すれば年率25%を達成できる」と明言した証拠ではありません。
また、毎月約2.08%ずつ資金が増えるという前提なので、実効的な年間利回りは約28.1%です。これを15年間続けられる人は、少なくとも一般的な投資家の標準像ではないでしょう。
ここで疑問になるのは、「その利回りを、どんな方法で、どれくらいの人が、どれくらいの期間実現できるのか」ということです。
「NISAの積立」と「成長投資枠」は、利回りの違いではない
初心者の方には、ここも誤解してほしくありません。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。でもこれは投資した利益に対する税制優遇の枠組みであって、成長投資枠を使うだけで高いリターンが得られるわけではありません。
成長投資枠でも、インデックスファンドを買うことはできます。一方で、個別株に投資すれば利益が大きくなる可能性もありますが、損失が大きくなる可能性もあります。
金融庁も、二つの投資枠は併用できる制度として説明しています。税制の名前と、将来の運用成績は分けて考える必要があります。
参考:金融庁「NISAを知る」
GFSはどんなスクール? 良い面も含めて確認した
では、広告を出しているGFSとは何でしょうか。
GFSは、株式投資だけでなく、NISA、投資信託、経済、金融史など、幅広いテーマを教えている有料の金融教育スクールです。公式のFAQでは、長期の積立投資やインデックス投資を肯定的に説明している箇所もあります。
つまり、「GFSはインデックス投資を否定し、短期の個別株取引しか教えていない」と書くのは正確ではありません。
また、公式サイトには受講生の投資結果や口コミが掲載されており、利益の報告だけでなく、損失が出たという投稿も確認できます。
ただ、個々の投稿や成功例だけでは、受講生全体の平均成績、損失を出した人の割合、受講料を差し引いた成果、市場平均との比較まではわかりません。今回私が確認した公式資料では、それらを一括して客観的に検証できる統計資料までは確認できませんでした。
参考:GFS公式FAQ(資産運用) / GFS公式・生徒の投資結果と口コミ
プロでも市場平均に勝ち続けるのは難しい――SPIVAのデータ
「勉強して企業を調べれば、インデックス投資を上回れるのでは?」
私自身、2018年頃はそう考えていました。個別株を調べて、チャートを分析して、売買のタイミングを考える。努力した分だけ成果が出ると信じたかったのです。
でも、実際の長期データを見ると、話は簡単ではありません。
S&P Dow Jones Indicesの「SPIVA Japan Mid-Year 2026」によると、日本で販売される米国株アクティブファンドのうち、S&P500を下回った割合は次のとおりでした。
| 比較期間 | 指数を下回ったファンドの割合 |
|---|---|
| 過去10年間 | 93% |
| 過去15年間 | 96% |
専門家が運用するファンドでさえ、長期間にわたって市場平均を上回るのは難しい、という一つの強い証拠だと思います。
ただし、この統計はGFSの受講生やすべての個人投資家について調べた数字ではありません。「GFSに入った人の93%が負ける」という意味ではないので、その点は混同しないでください。
参考:S&P Dow Jones Indices「SPIVA Japan Mid-Year 2026」
私自身、投資で「早く勝ちたい」と考えて遠回りした
ここからは数字ではなく、私自身の話です。
2018年。私は約300万円の元手で、日本株の短期売買や信用取引に取り組んでいました。チャートの動きや相場のうねりを見て、利益を積み重ねることができるのではないかと思っていたのです。
しかし、丸紅の空売りでは元手以上の大きなポジションを持ってしまい、50万円を超える損失を確定させました。
損失そのものも痛かった。ただ、当時の私は「次の取引ですぐに取り返してやろう」というより、「もう少し時間をかけて、もっと再現性のある投資方法を探そう」という気持ちのほうが強かったと思います。
その体験は当時の記事に残し、2026年に改めて振り返っています。
もちろん、GFSを受講したからといって、私と同じような取引をするとは限りません。GFSが信用取引や無理な売買を勧めていると主張したいわけでもありません。
私が伝えたいのは、「早く増やしたい」という思いから一歩引いて、「長く続けられる再現性の高い方法は何か」と問い直すことも、投資の大切な勉強になるということです。自分の遠回りを振り返ると、その思いが今のインデックス投資中心の方針につながっています。
『敗者のゲーム』を読んで考え方が変わった
その後、2018年から続けてきたインデックス積立の経験を振り返りながら、チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』を読みました。
そこで私が受け取ったメッセージは、「市場に勝つために大きな一発を狙うより、自分から負けにいく行動を減らすこと」でした。
誤解してほしくないのですが、アクティブ投資がすべて間違いということではありません。市場平均を上回る投資家は実際にいますし、企業を調べることが好きで、リスクを管理しながら個別株投資を続ける人もいます。
問題は、その難しい挑戦が、誰にでも簡単に再現できるかのように感じられることだと思います。
『敗者のゲーム』については、こちらの2本で詳しく書きました。
投資スクールの受講料――払う前に確認したいこと
GFSの公式FAQには、2026年10月25日に確認した時点で、入学金と学費の合計として税込698,000円と記載されていました。一方、GFSの別の公式紹介記事には、無料講座視聴後のキャンペーンで税込360,800円という事例も掲載されています。
広告、コース、受講期間、割引条件などによって案内は変わり得ます。したがって「今なら必ず30万円で受講できる」などとは、私は断定しません。
仮に受講料が30万円だったとしても、運用予定の元本が300万円なら、その10%に相当する金額です。投資で利益を出す目的で受講する場合、その費用も含めて考えることは大切でしょう。
もっとも、受講料は投資信託の信託報酬とは違います。学んだ知識が家計管理や詐欺の防止に役立つ可能性もありますし、学ぶこと自体が好きな人にとっての価値もあります。
私は「投資の勉強に30万円を使う人は間違っている」と言いたいのではありません。「払えば市場平均を超えて稼げるはず」という期待を理由に、焦って契約するのは慎重になってほしいのです。
受講料、受講期間、追加費用、解約条件、返金の扱いは、必ず申し込み時点の契約書類で確認してください。GFS公式FAQには入学後8日以内の解約申出について返金案内がありますが、対象となる条件は個別に確認する必要があります。
参考:GFS公式「よくある質問」 / GFS公式スクール紹介
私がもっと怖いのは、「もう株なんかやらない」と市場から去ること
実は、私が心配しているのは講座の受講料だけではありません。
「きちんと勉強したのだから、きっと勝てる」。そんな期待から、最初から大きな金額を動かしてしまう。損失が出ても、勉強した自分の判断を信じて引き返せない。結果として受講料以上のお金を失い、「投資なんて二度とやらない」と市場から離れてしまう。
私は、そんな結末がいちばんもったいないと感じます。私自身、丸紅の空売りで大きく損をした後は、同じような勝負を重ねるよりも、時間をかけて再現性のある投資方法を探す方向に向かいました。市場から完全に離れることなく、その選択ができてよかったと思っています。なお、これは私の失敗経験から考えたリスクの話であって、GFS受講生に実際にこうしたことが起きていると確認したわけではありません。
資産形成のために勉強を始めたのに、その経験が投資をやめるきっかけになったら、本末転倒です。 だからこそ私は、何を学ぶかと同じくらい、学んだあとにどれだけのリスクを取るかが重要だと思っています。
50代・60代の初心者に、契約前に考えてほしい5つのこと
- 何を学びたいのか。 NISAの仕組みを理解したいのか、それとも個別株の売買技術を身につけたいのか。目的によって必要な教育は違う。
- 講座代金の総額はいくらか。 割引前の価格や月々の支払額だけでなく、最終的に払う金額を確認する。
- 広告の成績は実績か、仮定か。 成功談は参考になるが、受講生全体の平均成績や市場平均に対する結果とは別。
- 自分はどこまで損失に耐えられるか。 15年後の大きな金額を見て、生活費や教育費まで投資に回してしまわないか考える。
- その場で決めなくてもいいか。 無料講座を見た直後ほど、いったん時間を置いて考える。
国民生活センターも、一般的な高額講座の契約について、広告の印象だけで判断せず、講座の内容、総支払額、解約条件を確認するよう注意を呼びかけています。これはGFSを名指しした注意喚起ではありません。
「20年も30年も待てない」――その気持ちはよくわかる
ここまでGFSの広告をきっかけに話してきましたが、私は50代の初心者が「インデックス投資では時間がかかりすぎるのでは」と不安になる気持ちを、頭ごなしに否定するつもりはありません。
51歳なら、これから20年後は71歳。30年後は81歳です。若い人と同じ時間が残されているわけではない。その事実から目をそらす必要もありません。
ただし、「時間が少ない」と「高い利回りを狙わなければならない」は、同じではないと思っています。
新NISAで投資した資産は、20年待たなければ売れないわけではありません。利益が出る時期も保証されない反面、20年後までまったく増えないということでもありません。
大事なのは、自分がいつ使うお金なのか、どれくらい値下がりに耐えられるのかを考えて、無理のない範囲で始めることです。
もし51歳で投資経験ゼロだったら私ならどうするかは、こちらの記事でも考えています。
50代から新NISAは遅い?51歳の私が投資ゼロならどう始めるか
まとめ|勉強することと「投資で勝てること」を分けて考えたい
GFSの投資教育そのものに価値がないと、私には言えません。受講生ではないので、講座の内容や授業の質も評価できません。
しかし、毎月1万円が15年後に1,916万円というグラフには、極めて高い利回りの前提がある。 これは計算から確認できます。
投資について勉強するのは素晴らしいことです。私自身、今も勉強しています。でも、勉強すれば誰でも市場平均を上回り続けられるわけではありません。
私は2018年、少しでも早く資産を増やしたくて、いろいろな投資を試しました。失敗もしました。その経験を経て、今はインデックス投資を中心に、市場に長く居続けることを大切にしています。
50代から始める投資で、私は「一発で勝つ」よりも、「大きく負けて市場から退場しない」ことを大切にしてほしい。
もし広告を見て有料講座が気になったら、その気持ちを否定する必要はありません。ただ、今すぐ申し込む前に、グラフの前提と、自分のお金の使い道を一度考えてみてほしいと思います。
遠回りした51歳の投資家から、これから始める皆さんへ。それが今回、いちばん伝えたかったことです。
調査・記載の前提(2026年10月25日)
本記事は筆者が確認した広告画像と公開資料、自身の投資経験をもとにした意見です。GFSの有料講座は受講していません。広告の数値は仮定に基づくシミュレーションであり、GFS受講者の平均的な成績や将来の成果を示すものとは確認できていません。特定の企業の違法性や欺瞞を断定する趣旨ではありません。記載した料金・制度・広告内容は変更される可能性があります。株式等への投資には元本割れのリスクがあり、過去の運用成績や本記事の試算は将来の利益を保証しません。
